飯能の自然─動物編
〜クモと人間の結びつき〜

動物編担当調査員嶋田順一

カバキコマチグモ

カバキコマチグモ

多くの虫の中で、クモほど我々が最も身近に目にしながら、その姿ゆえに誤解され、嫌われている虫も少ないと思います。

現在、日本には約千種類、飯能市だけでも約二百種余確認されております。その中で、人間の体に危害を加える種類はいるのかと言いますと、「いない」と言っても過言ではないと思います。ただ、カバキコマチグモ(ごく普通に見られるクモで、主に、ススキの葉をチマキ状に巻いて生活をする)という種類が多少毒が強いといわれています。これでさえ、かまれて、熱が少しでるか、その箇所が少しはれるくらいで、何の症状も示さないという人もおります。

そのようなことより、むしろクモは益虫として人間の生活に恩恵を与えていることの方が多いのです。たとえば、水田の害虫であるウンカやヨコバイの類を捕獲、捕食してくれカバキコマチグモたり、飯能では見ることができませんがアシダカグモという屋内性の大型のクモは、ゴキブリの唯一?の天敵として知られております。また、夏から秋口にかけて、養鶏場の周りを見ますと、ジョロウグモが無数に網を張っているのが見られます。ある報告によると、この網を取り去っでしまった養鶏場では、ニワトリの病気にかかる率がたいへん高くなったというのです。このジョロウグモの網が一種の自然のバリヤーであったのです。つまり、病原菌を媒介する蚊の侵入を防いでいたわけです。そのほかにも、我々の知らないうちにクモの恩恵を受けていることもあるはずです。

クモを使った遊びとして、有名なのは、鹿児島県加治木町でコガネグモ同士を戦わせるクモ合戦があり、この近辺では、ホンチと呼ばれるネコハエトリ同士を戦わせる遊びが、かつて横浜を中心にさかんに行われておりました。最近、ホンチ保存会ができ、この伝統的な遊びを守っていこうとする動きがあります。

また、クモを縁起ものの虫として、「朝グモはよいが夜グモは親に似てても殺せ」と言われるが、これは地方によってまちまちで、その逆の話もあります。

クモは蝶やカブトムシなどの昆虫と比べて、じみな存在ですが、よく観察してみると大変におもしろい習性がたくさんありますので、時間があれば一度ゆっくり観察してみるのも楽しいと思います。

編さん日誌

10月
3日小岩井、宝泉寺文書調査
4日飯能織物協同組合資料調査
11日資料編印刷、入札のための説明会
12〜13日埼玉県市町村史編さん連絡協議会研修会に事務局員参加
17日資料編印刷、入札
18日産業編部会
19日赤沢、西宅調査
25日資料編、校正開始
11月
15日永田、細田家文書調査
24日産業編部会
29日編さん委員会(次年度発刊予定の資料編について)
12月
2日高山、西宅文書及び遺跡調査
28日資料編、校正二校終了