
|
天覧山は秩父山脈の末端のひとつであり、その事は頂上へ登ればよく実感できる。
頂上からは西方に秩父の山塊を望む事ができ、そこから視線を東方へ移してゆけば、前ヶ貫丘陵や加治丘陵が
ゆるやかに地に没する樣子を見て取ることができる。また平野部に移るに従って燈火もまた数を増してゆくのである。 この山は中腹までは舗装されており、またそこから頂上までも良く整備されているので、夜間でも注意を怠らなければ 危険な事はありません。頂上まではあっという間です。展望台周辺は樹木の成長のために十分な展望は得られなくなっていますが、 一度は見ておきたい景色です。登りやすいだけあって先客とバッティングする事もよくあります。 天覧山からの夜景は三島由紀夫の『美しい星』にも登場しますが、もしかしたら三島も夜ここへ来たことがあるのかもしれません。 『美しい星』の中心は後半部のディスカッションであり、舞台に飯能が置かれたことには作品解題とは関係ないようです。 しかし飯能人にとっては気にならざるをえないところです。 冒頭の、天覧山の頂上へ登ってゆく場面での叙述は驚くほど(あるいはニヤリとするほど)正確なものです。 「眼下の東寄りの飯能の燈はまばらだった」とは冒頭で叙述される昭和三十年代の飯能の夜景ですが、 わずか数十年でこの街もずいぶんと変わってしまったようです。 |