飯能市史─落穂集
(2)

前々回で「揚庵の手紙」までを紹介したが、今回もいくつかの手紙を紹介しよう。

(4)おさとどのへ
(前文欠)
一、志ら怒事利根可満敷さして口な楚きゝ質者しをかゝ怒よふ被成候
(知らぬ事を利口がましく口を聞いて恥をかゝぬようにしなさい)
一、火之用心第一候ろうそくの登もしさし又者ひそなへなとけしてそ満津二なら怒よふ心二可けて被成候
(火の用心は第一のこと。ローソクの灯さしや灯そなえなどけっして粗末にならぬよう心がけなさい)
一、祢る丹もきほ徒希阿まりふさ満なる祢よふなと致し満しく候
(寝るときも気をつけ、あまりぶざまな寝方などをせぬように)
一、阿さも人様二たび/\お古され怒よふ二人様より阿とよりおき候て者一日心二て志ん者いを致しそして大切なる御用之間うき候て者相すミ不申候
(朝も他人にたび/\起こされぬように。ひとより遅く起きては一日中、心にわだかまりが残り、大切な用事ができなくなり申しわけないことになる)
一、とのよふなる御奉公二ても人様二丹く満れ候て者けして徒登満里不申候
(どんな御奉公でも他人に憎まれるようでは勤まりません)
一、な二事二よら須皆々様之御心二叶候よふ二御きほつけ被成候
(どんな事でも皆の心にかなうように気をつけるように)
一、お登な敷きを可るく遍んしを者やく皆々様二丹く満連怒よふ二けして上下之よし阿しなと申間敷候
(おとなしく、気を軽く、返事を早く、皆さんに憎まれぬように、けっして上の人や同僚の良し悪しなどを言ってはいけません)
一、御主人様ハま寿/\御大切とあさゆふ我心二可け御奉公大切二御つとめ被成候能々中かうとも二お路可なきと古路二と存候
(御主人様は大切な方だと朝夕心にかけ、御奉公大切に勤めなさい。忠孝ともにおろかなところがないように)
是者者々よりさと江申遣せあさゆふ心二可け候よふ二被成候
あさ/\一度徒々是を御よミ被成候、日々楚々う之ないよふ人様二丹具満れ怒よふ又つきニハ王つらハ怒よふ二被成候
又一ツニハかん丹ん能ふ具路を常二無祢二可け屋ぶれたら怒い/\
又一ツニハ人之事我二む可ひていう人者又我事を人二いふなり
よく此事い心二とめな二も可毛おとなしく御奉公大切二御つとめたのしミニ日々加せき祈候
めて度 かしく
者々より
おさ登との まて
(これは母よりさとへ申遣すので、朝夕心にかけるようにしてください。毎朝一度ずつこれを読み、日々そそうのないように、他人に憎まれないように、また病気にも気をつけて、また勘忍の袋を胸にかけておき、それが破れたら縫い/\。また他人の悪口をあなたに言う人は、あなたの事も他人に言っているということだ。よく/\このことを心にとどめて、何もかもおとなしく御奉公を大切に勤め、楽しく日々をすごして下さい。
母より
おさとどのへ)

屋敷奉公へ出す「おさと」 母親が諭しの文を書いた。

編さん日誌

7月
9日地名・姓氏編部会
12日地誌編現地調査
17日 〃 〃
18日 〃 〃
23日地名・姓氏編現地調査
25日地誌編現地調査
26日 〃 〃
29日 〃 〃
8月
5日地誌編現地調査
8日山手町・小鹿野家、本町・小川家文書収集
15日地誌編現地調査
16日 〃 〃
9月
9日下畑・吉野家文書調査
13日地誌編現地調査
25日唐竹・本橋家文書調査
26日市史編さん委員会・通史編の調査経過と計画
30日地名・姓氏編部会