明治四十三年の大洪水



明治四十三年の大洪水

明治四十三年八月十日、この地方では未ぞう有の大雨が降りました。

飯能での記録はありませんが、周辺部の記録から推定して、一日百ミリ前後の降雨量があったように思われます。

市に保管されている事務報告書によれば、名栗川に架かる千歳橋が流失し「水車場はもち論その他田畑山林の荒廃等あり就中川原町の如きは全町浸水宅地約一反三畝歩並家屋十四棟流失し、前古未ぞう有の洪水にして最も惨状を極め、十、十一、十二日の三日間全町挙げて水防に従事せり」とあります。

また、別の資料では、この三日間焚き出しを行い、白米一石八斗三升六合を使ったとか、味そ十八貫を給したとかその時、町の臨時出費も多大であったようです。

なお、この外に明治二十三年にも水害があったという記録がありますが、関連文書が少なく、被害状況等は分かっていません。

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