原市場の山中にかつて雨乞いを行っていた場所があると知り、訪ねてみました。
場所はだいたいこのあたりになります。ここへは2年前の夏に原市場小学校側からチャレンジしてあえなく失敗しててそれっきりだったのですが、 山王峠側から東電の鉄塔を頼りに尾根まで進めば、後は何とかなるだろうと考えて今回再挑戦してみました。 『飯能市史 資料編XI 地名・姓氏』には『風土記稿』を引用しつつ次のように書かれています。

参考:雨乞場:「村の南の山上にあり、今は塚もなく唯塚のしるしに一株の杉あり、旱年には村民雨を祈る所なりと云」(『風土記稿』)。 とあるが、戸谷入と大沢の境の山頂に今も大杉があるという。(p117 「917. 大沢」)

西村一男氏の著作にもう少し詳しい記述があります。

雨乞塚は原市場小学校東方の沢沿いに、大沢の谷津を入ったもっとも高い山で、 地元民には「二本杉」と呼ばれた。戦後しばらくまでは二本の老杉が聳えていたからだが、 その後の落雷被害でいまはもうその姿は望めない。雨乞いをするといっても三五八㍍と高い山頂のこと、 渓流や湖沼などあるはずはない。火を焚いて上昇気流を起こさせるという方法で、 祈祷を熱誦したり、ワラ細工の竜を曳き回す雨乞い儀式よりは少し科学的なものだったようだ。 効果のほどは知らないが、戦後になっても里方の”百姓場所”からはこの山へ雨乞いに来た者がいたという。
(『ふるさと漫録〜奥武蔵原市場の今昔〜』飯能郷土史研究会 平成11年9月発行)

というわけで杉の残骸だけでもあるだろうかと山に入りました。花粉症であることはひとまず忘れることにして。

山王峠の原市場側にある日枝神社脇の山道から東電の鉄塔を目指します。

途中、石が大量にごろごろしているところがありました。

続く