飯能百景 17

福徳寺阿弥弛堂

昭和24年2月18日 国指定重要文化財

西武線東吾野駅から徒歩10分ほどで、虎秀谷津の福徳寺に着きます。石段を登って行くと壮重かつ端麗な阿弥陀堂があります。この堂は間口、奥行とも3間、板壁造りの回り縁つきで、前面は繊細なしとみ戸となり、両妻は前方1問だけが引き違い戸、背面は中1間が唐戸であとは縦板張りです。

屋根は銅板ぷき宝形造りで頂に露盤がありこの上に宝珠をのせたもので、内部は猿頬天井で、内陣は後方にさがってて前面を広くとり、来迎柱の円柱が須弥壇のうしろに2本たっています。

この堂は、猿頬天井、長押の使用、あるいは垂木の配列が平行した繁垂木、また舟肘木の曲線など和様の仕法で造られていますが、須弥壇や、粽のある来迎柱とその上の台輪そして組物は唐様で構成されています。内陣を除いては、関東地方に数少ない和様の建築物です。厨子は須弥壇中央にあり桧材で高さ約135㌢㍍素朴に造られています。

この厨子には、鉄造の阿弥陀三尊像が安置され善光寺式とよばれる形式で、鎌倉時代の貴重な鉄造の阿弥陀尊立像です。

散歩に、川遊ぴにお出かけの際、緑の山と森に囲まれた閑寂境に、荘重端麗なたたずまいをみせるこの堂をごらんになってはいかがでしようか。

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